概要
- エムスリーソリューションズは、全国の医療機関に電子カルテやクリニック管理ソリューションを提供し、日本全体でクリニックのDX支援事業を手掛ける企業です。
- 同社はTeamViewer Tensorへの移行を実施する際に、約5万台接続先デバイスを一つずつ切り替えることなく、またスタッフへの追加研修も最小限に抑え、日本の最新医療ガイドラインへの完全な準拠を実現しました。
- TeamViewer Tensorの包括的な監査ログ機能により、内部監査や規制当局からの要請に迅速に対応できるため、将来的にガイドラインや法規制がさらに厳格化した場合でも、安心して運用を継続できる体制が整いました。
- 現在、本プラットフォームは4つの主要部門で月平均2万5,000件のリモート接続を管理しており、TeamViewer Tensorへの移行により同時接続可能なアカウント数が拡張され、接続制限による遅延が解消された。
- 顧客サポートの対応時間は1件あたり2時間から30分へと75%短縮され、出張にかかるコストも削減された。
背景
エムスリーソリューションズ株式会社(以下、エムスリーソリューションズ)は、従業員約400名規模の企業で、主にクリニックを対象に、医療現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するソリューションを提供しています。主力事業は、電子カルテ「エムスリーデジカル」およびクリニックでの予約から決済のできるシステム「デジスマ診療」をはじめ、医療会計用コンピュータの開発・販売・サポート、高度管理医療機器の販売、そして医療機関への人材派遣など多岐にわたります。現場の声に寄り添いながら、クリニックのDXから経営支援まで一気通貫でサポートし、医療現場の業務効率化と安全性向上につながるサービスを提供しています。
医療現場ではIT化が進む一方で、スタッフのITリテラシーにはばらつきがあり、システムトラブルや操作方法の問い合わせが増加傾向にありました。従来のリモートソフトは機能面で課題があり、VPN接続が必須であったり、OSの管理画面が開けなかったりするなど機能面で課題があり、現地訪問が避けられないケースも多く、サポートの効率化が課題となっていました。こうした課題解決のため、エムスリーソリューションズでは、「TeamViewer Remote」を導入し、15年以上にわたり医療現場を支えてきました。
課題
「TeamViewer Remote」は長年にわたり、医療現場のスタッフの課題解決や業務効率化に不可欠なDX推進の要として活用されてきました。しかし近年、医療ガイドラインの厳格化に伴い、セキュリティ要件が大幅に強化され、特にシングルサインオン(SSO)や監査ログの整備が求められるようになりました。令和9年(2027年)以降は、原則として二要素認証の導入も必須となります。こうした背景から、取引先クリニックからエムスリーソリューションズへのセキュリティに関する問い合わせの増加も予想され、より安心・安全で充実したカスタマーサポート実現のため、リモート接続アカウントの拡張や法令順守と実務効率化の両立が急務となっていました。
エムスリーソリューションズでは、従来のサポート業務に支障なく、事業成長や顧客要件に即したより高度なリモート支援を実現するソリューションが求められていました。
宮川豊氏 エムスリーソリューションズ 事業開発本部 システムサポートグループ グループ長
「エムスリーソリューションズにとって、『TeamViewer Tensor』の導入は、医療現場のDX推進とセキュリティ強化、業務効率化の三立を実現する大きな転換点となりました。現場スタッフのITリテラシーに左右されず、全国のクリニックに対し均質かつ高品質なサポートを提供できる体制が構築されています。」
ソリューション
TeamViewerは、エムスリーソリューションズの多様な業務プロセスで活用されています。営業チームが販売した製品の導入支援を行うオンボーディングチーム、ハードウェア保守を担うフィールドサービスチーム、顧客からの問い合わせ対応を行うコンタクトセンター、他部門からのエスカレーションを受けるシステムサポートチームが主な利用部門です。
特にコンタクトセンターでは、電話だけでは伝わりにくい操作説明やトラブル対応の際、TeamViewerを活用したリモートサポートが不可欠です。また、医療機関に派遣したスタッフが現場で発生した課題を本社に問い合わせる場合にも、TeamViewerによる遠隔支援が活躍しており、全体として、月平均でおよそ2万5000接続に相当します。
2025年9月、同社は従来の「TeamViewer Remote」からエンタープライズ向け「TeamViewer Tensor」へ移行しました。医療現場における機器サポートは迅速かつ効率的であることが求められますが、「TeamViewer Tensor」への移行により、同時接続できるアカウント数が拡張され、サポート体制の柔軟性と即応性が大幅に向上しました。
また、セキュリティとコンプライアンスの強化も大きなポイントです。「TeamViewer Tensor」は監査ログ機能が充実しており、誰がいつどの施設や機器に接続したかなどを容易に追跡できます。これにより、内部監査や外部ガイドライン対応、不正利用防止など、同社が掲げるセキュリティファーストの方針に合致した運用が可能となりました。
結果
「TeamViewer Tensor」の導入は、事業開発本部のセキュリティ部門が中心となり、システムサポートグループと連携しながら推進されました。すでにTeamViewerユーザーであったため、移行は極めてスムーズに進みました。特に、医療現場で使用される約5万台接続先デバイスを一つずつ切り替える必要がなく、現場や本社スタッフへの追加教育も最小限で済み、大きな工数削減につながりました。
遠隔操作ソフトウェア未導入時には、顧客サポートにかかる移動時間および対応時間を合わせて、1件あたり合計2時間を要していました。しかし、TeamViewer Remoteの導入により移動が不要となり、対応時間を約75%削減することができました。さらに、TeamViewer Tensorの導入によって接続数に余裕が生まれ、複数部門による同時リモートサポートが可能となったことで、顧客を待たせることなく迅速な対応が実現しました。特に診療報酬改定など、問い合わせが集中するタイミングでも、接続制限による遅延が発生しなくなったことは、サポートチーム・顧客双方にとって大きなメリットです。
監査ログ機能の活用により、内部監査や外部からの接続履歴提出依頼にも迅速に対応できるようになりました。これにより、将来的にガイドラインや法規制がさらに厳格化した場合でも、安心して運用を継続できる体制が整いました。
今後は、退職者アカウントの適切な管理や遠隔からのポリシー一括適用など、さらなる運用の高度化に向取り組む予定です。ユーザー管理やデバイス管理機能の本格活用も視野に入れています。また、医療ガイドラインでは、SSO連携も今後の重要な施策とされているため、SSO連携の本格導入や監査ログの定期的なチェック体制の構築も目標としています。
宮川豊氏 エムスリーソリューションズ 事業開発本部 システムサポートグループ グループ長
「長年にわたるTeamViewerとの信頼関係や、手厚いサポート体制も高く評価されており、今後もさらなる機能活用と運用最適化を進めることで、医療現場の課題解決とお客さまの満足度の向上に貢献していく考えです。」
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